趣味としてカメラを始めた初心者が、カメラのレビューを見たり扱い方やなどを調べていくうちに様々な専門用語に出くわすことになります。
そんななかで、馴染みやすい言葉のわりに理解に苦しむのが「ボケ味」という表現です。
ちなみに、「ボケ味」と書いて【ぼけあじ】と読むそうで【ぼけみ】ではないとのことです。
撮影するものがくっきりとシャープ写れば良いわけでは
上級者が写真の写り具合について話すとき、このレンズは背景ボケが良いとか、キレイなボケ味だとかいろいろ言われるようですが、初心者にとっては何を評価しているのか今一つピンときません。
写真を撮るのですから画像全体が切れ味良くシャープに写れば問題ないような気がしますが、そこは少し違うようなのです。
ベテランなのに余計な背景をボカしごまかしてしまうのか
ネットなどで、カメラに関する情報を探っていると上級者はこの「ボケ味」というのにこだわりがあって、撮影の場でレンズを選ぶときにもボケ具合にこだわってレンズを選定するようです。
このことについて、初心者がカメラ知識のもっとも薄い段階で受ける印象は「ベテランのくせに背景をごまかすの?」ということです。
被写体を写す前にカメラアングルとか考えないのか。風景以外の移動できる被写体だったら場所を工夫すれば良いのでは?
などと考えてしまうわけです。
撮影の段取りにもとことんこだわるのがカメラ上級者だと思っていたのに、背景ボカシてごまかそうとか虫が良すぎじゃね?って話なのです。
使う言葉を間違えている?
そんなわけで、少しオーバーに表現すれば初心者のボケに対する印象は上記の通りです。
しかし、ボケそのものよりも被写体を際立たせたいのが、カメラを楽しむにあたっての本来の狙いであることは容易に想像がつきますし間違いではないことでしょう。
例えば花を撮りたいのであれば、被写体である花を色合い良く見えるよう工夫し、花びらなどの輪郭はくっきり写すことが目的であって背景のボケはレンズの効果による副産物に過ぎないと理解すれば初心者でもボケを扱う意味が納得できると思います。
そうであるならば、ボケ味の「ボケ」という言葉を用いていることはビギナーに対しては多少なりとも誤解を与えている気がしてなりませんが、その辺はこれからカメラ知識を増やしていくにあたって何時しか腑に落ちてくるものなのかもしれません。
そんなわけで、湧き出した疑問はこの辺で一時棚上げしておきます
背景ボケの現実
さて、ボケに関して少しは納得したところで、初心者の心得としてスマホカメラと単焦点レンズを使ったミラーレスでの写り具合を比べてみることにします。
iPhone5sカメラで撮影
このように背景までありのままシャープに映してくれます。壁に張ってあるクロスの模様まで見えてますね。
ぼかしたいのは大福(甘い罠)。
ミラーレスカメラの単焦点レンズで撮影
明るすぎると思って絞りを調整したら、くっきり写したい手前のコーヒーまで手ぶれで上手く撮れていません。これでも後ろの大福がぼんやりしているのがわかります。
このように、初心者だからこそ背景はこれくらいボケてくれたほうがありがたいように思えます。
場所も明るさも変えて再挑戦
今度はボカすターゲットを窓から見える夜の駅にしてみます。
シチュエーションに金かかってます!
水を汲んだグラスを窓辺に置く
zenfone3で撮影しています。ピントがグラスに合っているのは理解してもらえるかと思います。
LUMIX GM1Sを使うとこんな感じにボケました。
次に冷えた飲み物のビンを写す
スマホカメラだとビンも駅もわかりやすく写っています。
もうどちらにピントを合わせたのか分からないくらいですね、ちゃんとビンのところをタップしたつもりなんですが自分が一番ボケてるかもしれません。
ミラーレスのDMC-GM1Sだと、狙い通りビンだけくっきり写せました。
冷蔵庫から出したあとの温度差で表面に水滴がついているのが上手く演出になりました。ビギナーなりに自画自賛したいところです。
背景だった駅をミラーレスカメラで撮るとこんな感じで明るく撮れました。
趣味としてのカメラはボケてもイイよ
今回の記事は、ボケについて思ったことをとやかく書いてみましたが、この先カメラに夢中になりすぎてフルサイズ一眼の道へ進むことはないと思われるので、ボケがごまかしであろうがなかろうが否定する必要はないものとも言えます。
よくよく考えれば、いつまでも初心者気分で自由な写真の撮り方を望むならば、むしろ背景は言葉通りにボケてもらえたほうがありがたくもあります。
こだわり過ぎないスタイルでカメラを楽しみ、まわりの余計なものを簡単にボカシてしまう使い方ならミラーレスカメラはそれに相応しい存在であり、気軽なボケ味の運用にはもってこいのカメラなのかもしれませんね
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